この男性はWintergatanというYouTubeチャンネルを開設している本人で、彼は工学的に音楽を演奏するということを目標に自身が作っている作品の製作過程や成果をYouTubeに投稿しています。音楽と工学を合わせるということは、とても複雑なプログラミングや膨大な様々な知識が必要になるものと思っていましたが…
▫️https://youtu.be/IvUU8joBb1Q?si=PlAttEkqw9ya-9_B
まずこの動画を見てみて下さい。マーブルマシンという鉄球を2000個使った半自動演奏装置のプロトタイプの演奏動画です。2000個の鉄球はそれぞれ音楽の一音一音を担当し、ビブラフォンやシンバルに上手に当てて音を出す方法で演奏しています。私が初めてこの動画を見たのは中学生の頃でした。当時の私には仕組みが全く理解できませんでしたが、今改めて見ると中学校の技術で習う木材加工の知識と面白い天才的なアイディアがあればこれほどの物を製作できることに気が付きました。
特に注目してもらいたいのが、この装置の右側から見える一番大きな円を持つ部分。よく見ると何やら1から50番台の番号が書かれています。これは曲の小節に関係していて曲が全体的に違和感なく聴けるような構成にしなければなりません。(この装置の場合4で1小節だと思われる) その小節数と円周の長さを同調させ、ズレや無音になる箇所を作らずピッタリに計算されて作られているところが素晴らしいと思います。また、彼が手で回している手動部分に注目すると、手動部分は大体BPM147で回し続け、ちょうど1回転させると1/4小節になるよう設計されているのも大変驚きます。彼の演奏技術とMix,Mastering技術は除きますが、中学技術の授業で教わる内容の範囲でこのような物が作れるのだと考えるととても魅力を感じました。
現在もマーブルマシンの改良を続けているWintergatan
見る人を驚かせるものづくりは、誰も真似出来ないような高度な技術を用いた作品だけではありません。
試行錯誤を繰り返して、失敗したものを沢山の人と共有しながら授業で習うような加工法だけを用いた作品でも人々に感心や感動を与えられると気付きを与えてくれたのがWintergatanの作品です。
最後に、これは完全に私の憶測ですが彼が製作の参考にしたのであろう動画が15年前のYouTubeの動画にあります。
▫️https://youtu.be/hyCIpKAIFyo?si=cR-eV0jczZJW43XO
きっと彼はこの動画からアイディアを得たのではないでしょうか。過去のものを参考にして、自分らしい作品を作ることもものを作る上で大切であると感じました。
これは私も知っていて、過去に授業で紹介もしました!
実物を見に行きたいですね。