曲によって変わる「音量差」って感じたことありますか?音楽は音圧というものが存在しており、耳で感じる音量が曲によって均一でないことがあります。たとえばジャクソン5のI Want You Backと、Adoの新時代だと後者の方が音量が大きく感じますよね。でも毎回パソコンの音量を調節するのがめんどくさい...そんなスピーカーの音量調節が面倒なあなたに。
その名も「手のひらサイズのPAエンジニア」
まずはこちらの動画をご覧ください。
マイクロビットが音量の大きさの平均値を出して、適切な音量に設定してくれます。
セルフで、自分の心地よい音量を設定することも可能です。
こちらがプログラムです。
このマイクロビットにはオーディオコンプレッサーの仕組みを取り入れました。
(ここからは雑談です)
まず、変数内に沢山の『LUFS』という変数がありますが、これは「ラウドネスフルスケール」といい、人間の耳で聞いた音圧感のことを指します。近年youtubeにラウドネスノーマライゼーションという機能が追加されています。これはyoutube内に上がっている動画又は音楽の音量を均一にするための機能です。基本的にyoutubeが発表している値は-14LUFSです。もしパソコン版のyoutubeで音楽を聴いていたら、動画の上で右クリックして「詳細統計情報」とクリックしてみてください。するとそこにVolume/Normalized.という項目があります。そこに「100% / 63% (content loudness 4.0dB)」という項目があります。これは動画によって様々な値になっています。「100%/50%」は元の音源から音量を×1/2した表記になります。おもしろいですよね。YOASOBIなんか元の音量が大きすぎてyoutubeさんにばりばり音量下げられちゃっています(笑)。Adoさんの音源もなかなかパツパツです。私自身アーティストの音源の最終書き出しを行う際は、なるべく音圧を上げないように...でも音圧は欲しい...という葛藤をしながらLUFSのブラックボックスに囚われています。ちなみにマイクロビットでLUFSという単位を用いていますが、これはなんちゃってLUFSです。本来はdBFSだと思うのですが、ラウドネスメーターを作りたくてこの表記にしました。実際はただのdBの絶対値の平均をとって計算しているのでこのプログラムではラウドネスは全く関係ありません...
コンプレッサーはあるしきい値(スレッショルド)を決め、そのスレッショルド以上の音が来たら音を潰します。逆にスレッショルド以下の音が来たら音を持ち上げます(メイクアップ使用時)。とても簡単に言うと「音のダイナミクス(音の大小の幅)を少なくする機材」です。これはテレビ局でもyoutubeの歌ってみたでもYOASOBIでもAdoでも、とても広い範囲で使用されています。実際に『音のコンプレッサー』というものを体験できるものはいくつかありますが、一番わかりやすく体験できるのは『Ado - 新時代』の一番初めの歌い出しです。「新時代は〜...(もわーん)こーの未来だ〜...(もわーん)」の(もわーん)の部分です。みなさんお風呂に入りますよね?あのような音がだんだん大きくなって聞こえたはずです。これはリバーブ(エコー)にコンプレッサーが掛かっているからです。
(雑談は以上です)
このマイクロビットはコンプレッサーの動作の真似をしており、小さい音は大きく,大きい音は小さくしています。それ以上でもそれ以下でもありません。難しかったところは、入力される音量の平均値を求める考え方や、細かい変数の使い方、しきい値を何秒間超えたら動作させるかの部分でした。頭の中にある内容をプログラムで再現するというのは至難の技だと思いました。今までの課題の中で最も製作の時間が掛かってしまった作品です。
omoro!!!!!!!!!!!!!!!!!!!😝